デジ・モノプロジェクト座談会

ファシリテーター

理事 堀 直予

デジ・モノメンバー

Sさん、Gさん、Szさん、Nさん、Mさん

トラブルをチャンスに

メッセナゴヤの出展を振り返っていかがでしたか。

Sさん

Webチーム、3DCADチーム、クリエイティ部の共同でリアルなものづくりができました。

Gさん

大きなモニターの下が3DCADブースで、意外と見てもらえました。嬉しかったです。ラジコンモデルは原型からノギスで計って作りました。本来はカメラでスキャンして短時間でデータができますが、自分たちは一辺ずつ手で測って作りました。

Szさん

自分が勉強したことでお客さんからの質問に答えられました。「私でもできるんだ」と思えました。

Nさん

リーフィンのデザインを描きました。平面の絵を、みんなが形にしてくれて感無量です。内側の仕組みに興味を持ってくれる人もいれば、外側のキャラクターに興味を持ってくれる人もいて、いろんな反応がありました。楽しかったです。

想定外だったことはありましたか?

Szさん

会場がざわざわしていてリーフィンの声が聞こえなくて。別の出展ブースからマイクを借りきて乗り切りました。

Mさん

フリーの時間に会場を回っていたら、スピーカーマイクを紹介しているブースがありました。お願いしたら「使っていいですよ」って言われて、マイクをお借りしました。

展示品そのものを借りて!勇気がいりませんでしたか?

Mさん

ドキドキしながら声をかけて。お借りしたマイクのおかげで音が聞こえるようになりました。

Gさん

「おみくじ」がなかなか出てこないトラブルがあった。

Szさん

リーフィンの蓋を開けることは考えていなかったけど、蓋を開けて、ここからおみくじが出ますって言って対応しました。

トラブルもチャンスに変える。素晴らしい実践ですね。

Nさん

「呼び込みなんて自分にはできない」と思っていたけれど、練習だと思って頑張りました。スタッフがターゲットを一人に決めて声をかけていて「ああやってやればいいのか」って。人を選ぶし怖かったけれど、意外と反応がよかった。それが自信になって、展示やロボットの説明ができるところまで慣れました。楽しかったです。

Mさん

ブースではリーフィンの実演を1日3回やりました。ただ、実演時間のほかにお客さんが来るときも結構あって、最終的にはお客さんが来たときにその都度やった。

想定したように人は動かなかったわけですね。みんなで臨機応変に対応した。常にコミュニケーションを取りながらやっていたんだよね。

印象に残ったことはありますか。

Mさん

AIや3DCADという「キーワード」でまず足を止めてもらえる。逆に「目で見て止まってくれる」のがリーフィン。モニターでは動画を1本ずつ流していって、実演では後ろの人が見やすいようにモニターにリーフィンを映して、そのタイミングで見てくれる人が多かったかな。

Nさん

最終日にリーフィンを大きなモニターに映していたら、女性が足を止めて「かわいい」って言ってブースに入ってきてくれました。商業的な場所で、自分のイラストは人に刺さりにくいと思っていた。でも、本当に好きな人には見てもらえた。最後まで粘って呼び込んでよかったです。

チームだから乗り越えられた

みなさんの話を聞いていて、学んだことが活かされるんだ、自分にはこれができるんだという手応えが感じられます。今までにどのようなことを学んできましたか。

Szさん

おもに3D-CADを学びました。以前やっていた動画制作も展示で役に立ちました。リーフィンの外殻は上が丸くて下が12角形なんですよ。くっつけるために内側は十二角形にして、外側を円形にしました。以前はそういう発想がなかったので、勉強しながら理解していきました。

苦労したポイントはありますか。

Szさん

他のメンバーのパーツとの組み合わせが難しくて。尻尾の内側にモーターが入っていて、角がぶつからないようにするのが大変でした。「ここの角を削らないといけないね」って話し合って。

Gさん

自分は基礎の台とおみくじネットを作りました。おみくじの出るところはSzさんのパーツで形も位置も決まっていて、この接着が難しい。今も若干ずれてるんですけど、ガイドをつければよかったなって。Raspberry Pi(ラズベリーパイ)やモーターは3DCADにない要素なので、「配線がくるからここを空けなきゃいけない」「向きはこっちの方が充電がしやすい」ってSくんに聞きながらやりました。

なるほど。Sくんの役割はどんなことでしたか。

Sさん

自分とYくんがWebチームで、プログラムとラズパイを担当しました。ボタンを押したらこう動くとか、モーターがこういう条件で動くとか。あとは3DCADチームと相談して、必要な部品を購入したりケーブルを繋いだりしました。プログラミング言語はPythonを使って。基礎は学んでいたので、あとは似た事例を調べながらです。

みんなをまとめていく立場でしたね。手応えはありましたか。

Sさん

今回は3チーム共同でそこまで負担はなかったです。逆に、他のチームに頼ることができました。難しそうだなって詰まったときに相談して、こんな形でどう?って提案をもらった。通信速度で返答に20秒近くかかる問題があって、迷っていたら「長老にしよう」って。キャラクターで補うアイディアをもらいました。

なるほど、面白いです!

Mさん

リーフィンはもともとリネーブルのオリジナルキャラクターで、「リーフィン族の長老にしたら面白い」って案が出ました。ちょっと間があっても長老だからいい。最終的には10秒ぐらいで返事するようになったね。

Szさん

静電気のこともあったよね。ボタンを押さなくても静電気で反応しちゃう問題が、当日ギリギリまであった。Sさんが対応して押す長さを延ばしてくれた。

Gさん

3日前にやばいって気づいて、セーリングシートを仕込んでみたり。スイッチの時間を長くするっていうのは、みんな当日ようやく気づいたぐらい。

Sさん

時間を伸ばせばいけるけど、作る時間がない中でYくんがやってくれました。

静電気が原因だって突き止めたんだ。まさにチームプレーですね。

無駄なことはひとつもなかった

Nさん

僕は以前から毎日絵を描いていて、SNSでもイラストを探しながら「かわいいとは何だろう」と毎日研究していました。だからデザインを任せてもらえたのかな。3DCADも一時期やっていたから、キャラクターを作るときに骨格を作りやすいよう気をつけました。日頃からいろんなジャンルの話をかじるのが好きで。イラストでいうと体の構造や色の印象、心理学じゃないですけど知識を総動員して。見てくれた人がどう感じるかまで想像して考えられました。

無駄なことはひとつもないね。作りやすさ、見てくれる人のことも考えて制作できた。いろんなものが栄養になっていたからだね。

Mさん

僕は体操やスポーツ関係を学んでいて Nくんとコラボしました。体操している動画に合わせて、Nくんの描いたキャラクターが一緒に体操をしてくれます。Nくんの描くキャラクター自体がゆるーい感じでかわいい。「筋トレかるた」も一緒に作りました。パッケージを見ても「顔を洗ってるのに足が震えてる」とか、ちょっとアンバランス感もありつつゆるい感じが好きで、コラボできたのがすごくよかったです。

みなさんそれぞれにいろんな想いがあって、できることも増えましたね。メッセナゴヤに出展して変化したことはありますか。

Nさん

呼び込みできたことが嬉しすぎて、家でも話しました。以前は緊張する場所に行くと疲れ果てて、今回も終わってから寝込むかなって覚悟してたんですけど、全然そんなこともなく。メッセナゴヤをきっかけに可能性が広がって、アルバイトに行くこともできました。今後はそこまで物怖じせずにやれるかなって思ったのが、大きな変化です。

Mさん

僕は専門的な分野に詳しくなかったので、逆に「僕が分かれば説明が通っている」と思って、みんなに質問をしていきました。たとえばSくんの作業を後ろから見ていて、SくんやYくんに「これをこういうふうに入れると、ここが動く」と説明してもらって、なるほどって。自分がお客さんのポジションで質問できたから、呼び込みや案内役ができたと思います。

Szさん

今まではものを作るときに大体1人でやってたんですよ。だけどチームで分担してやることができた。「ここは頼んでも大丈夫なところ」って安心して任せられる。“私だけで完結しない”っていうのはちょっと思いました。

「私だけで完結しない」名言が出たね。広がりを感じたのね。素敵だな。

Gさん

一人でやっていると、相手にまず自分がやっていることを説明しなきゃいけない。でも全員で同じものを作るから、ここの部品ってこうだよねとか、いろいろ聞けたのはよかったかな。

これからもチームでものづくりがしたい

お互いの良さを認め合いながら、チームを作り上げてきましたね。最後にデジ・モノプロジェクトの今後と、「自分がどうなりたいか」について教えてください。

Szさん

私はもう一度チームで何かをやりたい。一人でやるよりも、みんなでやる方が楽しかった。みんなと力を合わせて、またモノづくりをしたいって思います。

Nさん

僕もチームでモノづくりがしたい。出展したときにリーフィンが輝いていたんですよ。これは結晶。これ以上のものをみんなで作れたらなって思いました。自分については、もうちょっと外に出ていくようにしたい。リネーブルの2024年の方針が「外に飛び出せ!」だから、ちょうどいいかな。完全なゼロから何かをやってみたいです。

Gさん

僕もやっぱり、みんなで何かを作れたら。個人的には、リーフィンよりも複雑でギミックがあるものを3DCADや3Dプリンターで作りたいですね。

Sさん

IoTに興味があるので、リーフィンに似た技術を活かして取り組みたいです。それもWebチームと3DCADチームと協力して、いいものができたら。

Mさん

お互いが別々の分野を学んで、それを組み合わせるのが面白いです。今後も共創コミュニティで話す機会があるといいな。僕は変わらずスポーツを学びつつ、専門じゃない分野にもちょっとずつ入っていけたらと思います。

みなさんが楽しく、苦労もしつつ、ちゃんと自分に手応えを持って素敵な活動をしているとわかって嬉しかったです。どうもありがとうございました。

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